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鹿児島・「忘れの里 雅叙苑」が現代の日本人にぴったりな理由

皆さんが旅行をする目的は何ですか?観光、お食事、お酒、温泉、アミューズメントパーク、色々ありますよね。その中にもちろん「良いホテル・旅館に泊まってゆっくり癒されたい」という気持ちもあると思います。

日本には数々の宿がありますが、中でも究極のリゾートとも言えるのが鹿児島県霧島市にある「天空の森」です。

TENKU|天空の森|究極のリゾート|南きりしま温泉【公式】
鹿児島にある究極のリゾート「天空の森」。東京ドーム13個におよぶ広大な山に点在する5棟のヴィラ。大自然の絶景へと視線を誘う露天風呂に身をあずけ、風景全体に浴す贅沢。田島健夫がつくる唯一無二のリゾートで、未だかつてない静かで非常識な体験をぜひ...

ここは以前テレビで観たのですが、5つのヴィラが森の中にあり、完全なプライベート空間が確保された中で自然の中に身を置いて過ごすという全てにおいて贅沢な宿泊施設です。1泊30~50万円ほどというお値段も究極なところ。なかなかちょっとした理由では泊まれないかなりの高級リゾートですね。

この「天空の森」をデザインした建築家が同じく鹿児島県霧島市に別のコンセプトで旅館を設けています。それが今回紹介する「忘れの里 雅叙苑」です。

忘れの里 雅叙苑|日本の原風景を残す茅葺きの宿|鹿児島県・霧島・妙見温泉【公式】
鹿児島にある日本の原風景を残す茅葺きの宿「雅叙苑」。茅葺屋根の古民家が点在した集落のような宿です。源泉かけ流しの露天の岩風呂や、お風呂リビングで心身ともにおくつろぎください。お料理では、自給自足の食材による薩摩の郷土料理でおもてなしいたしま...

ここは霧島市に流れる川、その名も「天降川(あもりがわ)」沿いにある日本の原風景を大切にした茅葺屋根の古民家に泊まれる宿です。ちょうど「古民家」というキーワードが自分の中でトレンドとなっていた時期でもあり、ゆったりとした時間を過ごせる「雅叙苑」に泊まってみることにしました。こちらは何十万というお値段ではなく、お部屋にもよりますが少し背伸びした手の届くお値段。

実は、どちらの宿もフランスの組織であるRelais & Chateaux(ルレ・エ・シャトー)に加盟しています。

日本のルレ・エ・シャトー
厳選な審査を経て加盟した世界65カ国、580のホテル・レストランが加盟する非営利組織ルレ・エ・シャトーの日本の施設を紹介

ここに加盟できる宿やレストランは①地域と共存、②人間性、③共有、④コミットメントという4つの価値を共有できることが前提であり、お客様との一期一会を大切にできる情熱を持ち合わせていることが必須のようです。世界各国のホテルやレストランが加盟していますが、審査も非常に厳しく、日本でも11の宿と8のレストランしか加盟できておりません。

非常に意識の高い組織ですよね。ここに名前を連ねているということで、より一層期待が高まります。

全部で10室あり、うち8室が広々とした客室露天風呂を備え付けてあります。その他にも別に貸切温泉がいくつかあるため、今回はお部屋に温泉が付いていない12畳の「ひかり」というお部屋に宿泊しました。

車で案内に従って細い路地を降りていくとおもしろい看板。

ここは鶏が放し飼いにされています。※現在コロナウィルス感染対策により、別の飼育場にて隔離されています。

車を作務衣姿のスタッフに預け、まず案内されたのがこちら。

既に趣がありますね。こちらでウェルカムドリンクとしてお茶とよもぎ餅とぜんざいをいただきました。

雨がしとしと降っていたのでお茶のおもてなしは心温まりますね。ほっとします。よもぎ餅の中に入っているのはさつまいもの餡というなんとも珍しいもので、とっても優しいお味でした。

早速お部屋に入ると窓際にのんびりできる広縁があり、天降川を望むことができます。

これぞ借景ですね。家にもこういうスペースがあったら良いなぁと一息ついたところで、敷地内を散策しながら温泉へと向かいます。

お部屋を出てすぐの光景
桜とともに囲炉裏スペース
椅子に座って川のせせらぎに耳を傾ける
お部屋から階段を下りてきたところ
竹の灯篭が素敵
建湯が手前で、さらに階段を下りると妙見温泉の醍醐味ラムネ湯
ひとまず素通りしていく
早速「入浴中」の札をかけてラムネ湯へ
川の方まで下りるとすだれに囲まれた温泉が出現
源泉が溢れる贅沢な温泉(こちらはぬるめ)
2つのお風呂があります(こちらは少し熱め)
お風呂を出て川沿いに歩くと昔の温泉の名残?

温泉に無事入ることができました。ラムネ湯はすだれさえあるものの開放感に溢れており、川の対岸にある温泉宿から見えないかと少し心配になるレベルです。(見えないので安心してください!)お湯の温度は適温で、最初冷え切った身体には熱いと感じましたがすぐに慣れてきて長湯できてしまうほど。妙見温泉の泉質は肌にも非常に良く、最高の温泉でした。

これを時間無制限でいつでも貸切で入れるなんてかなり贅沢です。たいていの旅館が「50分貸切温泉無料」というような謳い文句なので、これは初めてでした。

建湯の方は貸切温泉が3つ並んでおり、どこもお客さんがいなかったので様子をチラ見させてもらいました。

建湯は桜が彩ってあり少し洗練されている

囲われている安心感が先ほどのラムネ湯よりありますね。とても綺麗な温泉でした。こちらは翌朝に入ってみようと思います。部屋に戻りがてら川にまた癒されます。

本当に水が綺麗で魚がいっぱい

1つ残念なのが、この妙見温泉付近はコンビニや商店が全くと言っていいほどありません。チェックイン前に何かお酒でも買い込んでおけば良かったと少し後悔しますが、正規のやり方であろう冷蔵庫の少しお高いビールを夕食前にいただきます。こういうときのプレミアムエビス瓶ビールはなんだか特別感がありますね。

そうこうしているうちに、お待ちかねの夕食の時間です。

献立を見ると楽しみなお料理ばかり!それでは順番に紹介していきます。

季節の野菜盛り
地鶏の刺身盛り合わせ
献立にないきびなごの酢味噌和え
食前酒
だご汁 さつまいものデンプンのお団子は半透明
黒豚の角煮
みそ田楽
黒毛和牛 一口食べちゃった
炭火焼き
摘み草揚げ
ご飯・汁物
デザート

いかがですか?このボリューム、だご汁あたりで正直大満足なのにどんどん来ました(笑)天空の森で育てた野菜であったり、薩摩の地の物を多く使って一見珍しいお料理もあったり、本当に全部美味しかったです。そして最後に出されたお茶が21種類の葉をブレンドした特製のお茶で、とっても風味が豊かで癖になる味。

夜8時頃から囲炉裏で芋焼酎が振る舞われるというご案内もいただいて、かなり楽しみにしていたのですが、その時間になる前にあまりにもお腹いっぱいで自然と眠りに落ちてしまいました…。本当に残念!!これは不完全燃焼ですね。ぜひともリベンジしたいところです。

ですが、日が没するとともに身体を休ませて、日が昇るとともに身体を起こすという人間本来の生活ができたことは非常に意義があることでした。朝4時くらいには自然と目が覚め、うっすらと空が白み始めるのと同じくしてゆったりと朝の時間を過ごせることは贅沢な時間の使い方です。仕事に追われる日々もまたそれはそれでおもしろいのですが、こうやって生活することの大切さを学ぶことができました。

朝食前に今度は建湯でゆったりと湯浴み。ひんやりとした空気が心地良かったです。

昨晩あんなに食べたのに、朝食も種類が豊富でお野菜をたくさん使ったお料理です。朝食の場に案内される前に、オープンな造りの厨房で卵料理をどうするか、魚料理はどうするかの選択を迫られます。実際に魚を見ながら選ぶのが斬新でした。だし巻き卵と焼き鯖をチョイス。

遅れて登場の出来立ての出汁巻き卵
ししとうが上品の焼き鯖
野菜たっぷりお味噌汁
ご飯はハーフ&ハーフ
豆乳もいただきます

愛情たっぷりの手の込んだ品々に、大満足です。特に卵焼きはこれぞおばあちゃんの味という私が目指したい完璧なバランス。久しぶりに食べた味に感動しました。

名残惜しくチェックアウトする際に、道中で食べてくださいとおむすびとこの卵焼きを包んでくれました。おまけにお花のプレゼントも。

最後の最後までおもてなしをしていただき、感無量の宿でした!思い残すことは…囲炉裏での焼酎を飲めなかったことくらいですね(笑)

ここ「忘れの里 雅叙苑」はぜひともリピートさせていただきたいところです。次はお部屋に露天風呂が付いているところに泊まりたいという希望を持って、しっかりと英気を養うことができました。

滞在中もYou Tubeを観たりでデジタルデトックスはできていませんが、昔の古き良き日本の原風景の一端に触れることができ、こういう第二の人生の過ごし方ができたらと夢が膨らみました。自宅に温泉が溢れでている生活ってどうなんだろう、経費はいくらかかるんだろう、部屋の数は多くなくていいから広々とした空間が欲しい、自然と共存する丁寧な暮らしがしたい…。こんなことを考えながら過ごした茅葺屋根の古民家「忘れの里 雅叙苑」での滞在は、ラグジュアリーなホテルに泊まるより自分に意外としっくりきて心に栄養がいきわたった気がします。

当たり前の生活ができなくなってしまった今、少しでも夢・希望をもって心に落ち着きを持たせたいですね。

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