思い出話
私は小学生から高校生の時までピアノを習っていました。そして中学生から大学生までは吹奏楽に熱を注いでいました。
大学では文系で、卒業論文の題材も世界の音楽。
そうして社会人になって、音楽を聴くことはあっても奏でることがなくなってしまった今、なにかアイデンティティが欠けてしまったような気になっていました。
それが何なのか気付かないまま約15年。久しぶりに実家に帰った時に、小学3年生の時に買ってもらったYAMAHAクラヴィノーバの電子ピアノの鍵盤が固まって動かず、故障してしまっていることが判明しました。一人暮らしも長くなり、両親が住むだけの実家では電子ピアノはただの置き物。それでは可哀想と思って、電子ピアノの輸送を考えている矢先の出来事でした。
約20年間存在した電子ピアノ。小学3年生の誕生日3日前に学校から帰るとサプライズで既に設置されていた時の感動。それまでは元々家にあったキーボードで鍵盤が軽すぎる中、なんとか練習していた日々。週1回のピアノのレッスンに当初はそこまで熱を入れておらず、中学生になって吹奏楽部に入った時に楽譜がスラスラ読めることはピアノのおかげだったと初めて実感。合唱コンクールでピアノ伴奏するのがカッコ良いから一生懸命に練習した合唱曲。その頃からピアノが弾けることって良いことなんだと思い始めました。思い始めるのが遅すぎる…
高校生になってからは部活や通学時間により帰りが遅くなったため、「ピアノが(少し)弾ける」というステータスを維持したまま熱心に練習することもありませんでした。ただ、吹奏楽をずっと全力でやっていたこともあり、そこで何かを補えていた気がします。
大学生になる頃、YouTubeが徐々に流行り始めました。今でも思うのですが、もっと早い内からYouTubeを観ることができる環境・時代だったら、外から受ける刺激が全然違かっただろうと感じます。「井の中の蛙」だったのが、様々な人の演奏動画を無料で観られて、今まで無から楽譜を見て音を取り出していたのに、参考音源が溢れるほどある世界。本当に便利で最高ですよね。
好きなYouTuberたち
自ずとチャンネル登録していつも聴いているYouTuberピアニストを(勝手に)紹介します。
CANACANAさんが弾いたピアノを弟さんが編集してアップしています。一貫性があり、ピアノ演奏だけに集中できる動画です。クラシックだけでなくジブリやディズニー、アニメ、最近の流行曲等もタイムリーにアップしていて安定感があります。いつもピアノの指輪を着けていて、黒い服で演奏されているのが印象的です。編曲等もたくさんされてます。
「おはようございマッチョ~!」という挨拶で愛嬌のある筋肉系ピアニスト、フォルテさんです。ピアニストの努力の過程を惜しみなく見せてくれ、頑張ろうと思わせてくれます。奥さんや赤ちゃん、フォルテさんのお母さんまで動画に出てきて、一家みんなで音楽を楽しんでいます。自分自身の演奏に素直で、演奏に対するおもしろいツッコミも必見です。
ストリートピアノ動画で有名なよみぃさん。よみぃさんが中3の時に「太鼓の達人」の課題曲に応募した「D’s Adventure Note」(通称DAN)が名曲中の名曲。ただのゲーム音楽ではなく、ずっと残り続けるピアノ曲になると思います。DANを知ったのもYouTubeで、すぐ虜になりました。DANの楽譜を手に入れたので、弾けるように練習します。
Cateen(かてぃん)さんは東大卒のエリートピアニスト。トイピアノや鍵盤ハーモニカを使いながら音楽している姿、クラシックはもちろん、即興もさらりとこなし、作曲もしてしまうやっぱりエリート。ヱビスのCMにも出たり、CASIOの公式電子楽器アンバサダーに就任したり、活動も幅があります。
あかぼしりなさんは、姉妹でピアニスト。旦那さんはコントラバス弾きでサブチャンネルも人気です。ピアニストといういわば「高嶺の花」というイメージをぶち壊し、「あるある系」のネタを全力でやっています。身近な友達感覚で、ゆるりと観ることができます。もちろん、演奏は一音一音大切にされており、所作も綺麗で感情が入っています。
737guamさんは2021年に晴れて音大生となった女の子。音大生になった今、さらに磨きをかけてほぼ毎日ピアノ演奏動画をアップしてくれています。音大に入る前から十分に才能を発揮していましたが、これから集中的にピアノを勉強して素敵なピアニストになること間違いありません。過去との比較動画が非常に参考になります。
りっちゃんはピアノはサブで、エレクトーンがメインの女の子。YouTubeのチャンネルのトップにもある、りっちゃんが作曲した「ふしぎな風」が本当に壮大な音楽。すごく可愛らしくて、お母さんの娘に対するツッコミが壮絶で、コミカルだからついつい観てしまいます。りっちゃんの音楽に対する世界観が独特で、このまま大きくなってほしいと思います。
これらのYouTubeを毎日毎日観ていたら、「電子ピアノを買いたい」という夢を現実にしたくなってきました。そこで次に考えるべきことが、どのブランドのどの機種にするか、ってことですよね。
電子ピアノの購入候補
今までYAMAHAのクラヴィノーバを持っていたこと、楽器といえばYAMAHAというイメージ先行で、ひとまずYAMAHAの電子ピアノを調べ始めました。
電子ピアノにも様々なシリーズがあります。CLPシリーズ、CSPシリーズ、CVPシリーズ。勝手にイメージで分けるならCLPはLesson、CSPはSmart、CVPはVariousって感じです。(合っているかは不明!)
クラヴィノーバを使っていたという点から、まずはその最新機種が何なのかを調べました。
しかし、時は流れて20年強。電子ピアノの進化はかなり目まぐるしく、ハイブリッドピアノという存在を知ることとなります。
ハイブリッドピアノとは、もちろんアコースティックとデジタルの融合。本物のピアノをタッチしている感覚ですが、デジタルのメリットを持ち合わせているという優れものです。
YAMAHAではAvantGrand(アバングランド)というシリーズが人気であり、NU1Xがまず候補に上がりました。
まるでほとんどアップライトピアノで、よくある木目調ではなくつやつやのピカピカの素材。
予算はなんとなく30万円にしていたのですが、ハイブリッドピアノともなれば1.5倍の値段なのかと相場も勉強。
YAMAHAだけにこだわらず、KAWAIも調べてみます。(ちなみに好きな音色はYAMAHA派です)
ん?YAMAHAより少し安いかしら?と思ったら、木目調。
つやつやのピカピカという見た目も重視したかったため、それを探してみると、ありました!!
あー、やっぱりYAMAHAもKAWAIも値段は同等ですね。
あとは好みの問題…。
YAMAHAのNU1XとKAWAIのCA99EP。機能性はどちらが良いのか比較をする必要があります。
YAMAHAは、もともと使っていたという絶大な安心感が勝っています。ちょっと気になるのは、電子ピアノとスマホをBluetoothで接続して、音質の良いスピーカーとして使えること。
KAWAIはタッチパネルのメニューでカッコ良くて、ツェルニーやブルグミュラーという(私にとって)懐かしの練習曲も収録されています。また、YAMAHAと同様にBluetooth機能も付いています。
どちらも同じくらい良くて、非常に迷います。
そこで調べているうちに、CASIOもハイブリッドピアノを出していることを知りました。
CASIOといえば、腕時計や電卓、電子辞書。楽器と言ってもせいぜいキーボード程度だろうというイメージがありましたので、元々候補には入っていませんでした。ですが、ある機種を見て少し心が動き始めます。
CELVIANO Grand HybridシリーズのGP-510BPです。
見た目はつやつやのピカピカで合格。ただCASIOという企業のイメージが私の中でピアノとリンクされていない…。なのに中央に「CASIO」とゴールドの文字で書かれていることにカッコ良さを感じませんでした。
そこを棚に上げて機能を見ていくのであれば、アコースティックに近似させている点はYAMAHAとKAWAIと同じ。ですが、1つ気になったのが「ベヒシュタイン」公認の音色であるということ。他にも「スタインウェイ」と「ベーゼンドルファー」の音色を搭載しており、世界的にも注目されているということを知りました。
たしかに、精密な電子機器を取り扱う会社。音色に関しても一切妥協していない理由も納得です。
また、オーケストラの音源を収録しており、まるでコンサートで協奏曲を弾くピアニストのような気分も味わえるとのこと。
私のように、ピアノのレッスンではなく趣味で再開する大人でしたら最高の機能がそろっているように見えました。
ということで、YAMAHAとKAWAIより少しリードした状態で「島村楽器」に足を運んでみました。

これは「島村楽器オリジナル」のGP-1000という機種。左の操作盤が日本語であり、音色も種類が増えたという点を除いてはGP-510BPと同じです。
十数年ぶりに足を踏み入れた楽器店。やっぱり良いですね。
そして、CASIOというロゴは非常に目立ちますが…光沢が本物のピアノそのもの。ハイブリッドピアノの中でも人気度1位であると店員さんが言っていました。コロナの影響で巣ごもり需要が増え、電子ピアノは特に全国的に品薄だそうです。
この日は、ひとまずパンフレットだけ持ち帰りました。そして、GP-510BPについて調べ尽くすこと約1年間。その間に私の心の中では自然とGP-510BP一択となっていました。
ついに購入!念願の電子ピアノ
2021年。通常よりちょっとお金がかかる上半期になっています。でも電子ピアノは早く欲しい。夏のボーナスで支払いができるタイミングでの購入を決意します。
ちなみに私は楽天経済圏で生きています。ネットショッピングは楽天市場、クレジットカードは楽天プレミアムカード、楽天銀行も保有、株や投資信託も楽天証券、もちろんスマホも楽天モバイル。2020年は楽天ポイント18万円分付与されています。
ですので、電子ピアノという高額商品も、楽器屋さんではなく楽天市場での購入しか考えていません。割引額が大きいタイミングが年に数回あるのですが、ちょうど6月4日から行われるという情報を嗅ぎ付け、「5、0の付く日はポイント○倍」ということで6月5日をXデーに定めました。
たまたま5月19日に楽天市場のパトロールをしていると、たいてい「取寄注文」だったり「次期納期○ヶ月後」等のステータスだったGP-510BPで、在庫があるため「通常配送(1週間程度)」のショップを発見しました。
しかも、付与ポイントも高く、実質価格で言えば最安値でした。Audio-Technicaのヘッドフォン付き(調べたら6000円)。
同じ値段でヘッドフォンではなく防音マット付きのもありました。ただし、私は今の家に引っ越してきたときから電子ピアノの購入を考えていたので、既に設置したいところの絨毯の下に敷いています(笑)なのでヘッドフォン一択!!
数時間迷い、6月5日に在庫があるとは限らないという理由付けをして、購入ボタンを押しました。
5月20日に注文し、翌日には先にヘッドフォンが到着。ピアノ配送業者さんとの電話でのやり取りで、5月29日(土)にGP-510BPを出迎えることで決定いたしました。
併せて、昔使っていてボロボロになってしまった楽譜を再度購入。
これで出迎えた瞬間にピアノが弾けるよう、準備が整いました!!
GP-510BPの世界一詳細なレビュー
今後の展望
電子ピアノを1つ手に入れただけで、将来の夢がかなり広がります。
電子機器ですので大切に扱っても故障までの20年間持ち続けると考えた場合、自分の子供にはピアノを楽しんでもらいたいし、生まれた時からピアノに触れられる環境は素敵だと思います。それがたとえ電子ピアノであったとしても。
自分の経験上、小学1年生の頃は「なんでピアノを習っているんだろう」という感覚でした。親の意向で習い始めたので、そこに私の意思はありません。だから自発的に練習する気は起きなかったです。
今考えると「感謝」でしかないのですが、当時はそんなこともちろん考えていません。
ですので、「音楽すること」を第一に考えて、「お母さんが毎日ピアノを弾いていて楽しそう、私もやってみたいな」という気持ちの醸成に繋がるようにできたら嬉しいですね。
そして、もし今の仕事を辞めたとしても近所のママ友達が子供を連れてきて、ピアノの基礎を教えてあげるということもできたらと考えています。
レッスン料?何かお菓子とか美味しいものを少しおすそ分けしてくれたらそれだけで最高です(笑)
音楽大学を出ていない、コンクールにも出ていない。いわゆる肩書きがなくてもピアノの先生チックなことできる!?と考える方もいるかもしれません。ピアノの先生に資格は要りません。YAMAHA音楽教室等に雇われてやることは難しいですが。
あくまで趣味の範疇。でもレッスンプランを考えたり、知識・技量が0だった子を1以上にする方法はピアノ以外の経験も必ず役立ちます。
聴いたことがない知らない練習曲をひたすらやることが楽しいのか。知っている曲、子供に人気の曲を練習曲としてアレンジすれば楽しめるのではないか。
…と、考えることはたくさんあります!
音大を目指す子供に教えることは私のレベルでは不可能です。ですが、音大に行かずとも趣味で楽しみたいという方は、古典的でがんじがらめな進め方ではなく、弾きたい曲を弾けるようになれればそれで良いと割り切ることが、人生を通じて長くピアノを楽しむための土台になると思います。
教える対象者も幼稚園から小学生程度しか考えていません。それ以上を求めるのでしたら、ちゃんとしたピアノ教室にそれなりのレッスン料を納めて通わせるべきだと思います。
とかとか。
ビジョンはありますが、ひとまず15年ぶりのピアノ再開なので、感覚を取り戻して早く何かしらの曲を完成させたいですね。
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